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翻訳の現場から


2025.10.21

風間先生の翻訳コラム

コラム第130回:何者でもない男の夏休み

何者でもない男の夏休み


『Mr. ノーバディ2』
10月24日(金)全国公開
配給:東宝東和
©2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

 何者でもない男、ハッチが帰ってきた。“ナメてた相手が実は…”映画でおなじみ「Mr.ノーバディ」の続編、「Mr.ノーバティ2」である。今回はポスター写真をご覧になって分かるとおり、夏休みに出かけたハッチ一家にトラブルが降りかかる。
 前作ではバックに流れる歌詞とストーリーが絶妙に絡んで楽しませてくれたが、今回は音ネタはほぼない。ただし冒頭で鳴るハッチの携帯の着信音をご記憶願いたい。後半でニヤリとできるはずだ。
 夏休みで旅行と言ったら必須なのはオヤツ。ということで今回は作品中に出てきた菓子の話を書く。

 ハッチの息子、ブレイディが旅行先のゲームセンターで大当たり。大量のチケットをゲットすると地元の若者に絡まれる。ブレイディをオタク呼ばわりし「オタクがチケットをオヤツと交換か?」とからかう。
 オタクを英語でnerd/ナードと言うのはかなり知られてきた。日本未公開だが「ナーズの復讐」というのがシリーズになっている(主人公がオタクたちなのでナーズと複数だ)。さて、字幕ではオヤツとしたが、原文はNerds/ナーズだ。これはアメリカで有名なキャンディのこと。通常は2種類のフレーバーが入っているが、様々な種類の入ったレインボーというパックもある。さらに現在はバリエーションとしてナーズロープというのが人気だ。紐状のグミにいろいろなフレーバーのナーズが付着している。見た目のインパクトもあり、映えると評判らしい。ということで、セリフは「ナードだけにナーズが欲しいか」とからかっているわけだ。

 一家が食事をする場面で「夕食はハンバーガーとs’moreだ」というセリフが出てくる。カンマの入った何やら見慣れない単語だ。発音は「スモア」。これはアメリカやカナダで、キャンプファイヤーの時に作られる伝統的なデザートのことだ。焼いたマシュマロをチョコレートとグラハム・クラッカーで挟んで作る。グラハム・クラッカーとはグラハム粉(小麦粉の一種で全粒粉に近い)を原料とする甘いクラッカーのことーー想像するだに甘そうだ。ちなみに、もうこれで通っているが、正しい発音はグレアムである。ここも説明ができないので、字幕は「マシュマロ」とするしかなかった。
 s'moreというのはsome more=もう少し欲しいの短縮形。1つ食べるとおいしくてもっと欲しくなるという意味だろう。マシュマロを焼くのは日本でもキャンプの定番となった。だが僕が子供の頃は、マシュマロこそ存在していたが身近な菓子ではなく、ましてや焼くということは知らなかった。初めて知ったのは「ゴーストバスターズ」の“キャンプでマシュマロを焼いたあの日々”というセリフだったのではなかったか…

 水辺を流す観光船でガイドを兼ねる船長のセリフ。画面がなくセリフだけなのだが「私のお気に入り“ブラウニー”」と言う。ブラウニーはもう市民権を得ただろう。チョコベースのケーキで、チョコの濃さによって柔らかかったりクッキーに近かったりする。ガイドで自分のケーキの好みを言うはずがないから、このセリフは水辺の岩か何かがブラウニーに似ているのだろう。ブラウニーの見た目はゴツゴツした岩かコンクリートブロックのようですからね。
 ブラウニーはアメリカでは定番のデザート。材料が家庭で用意できる物で、工程も簡単なので、市販品以外に手作りすることも多い。ブラウニーと言えば思い出すのがマリファナ入りのブラウニーだ。英語だとspace cakeとも言うが…
 おっと、いけない話なのでここまでにしておこう。

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