ベイビー・ドライバー
2018年1月24日(水)発売
Blu-ray ¥4,743(税抜)
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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エドガー・ライト監督の最新作「ベイビー・ドライバー」は批評家から絶賛され、興行面でも大成功を収めた。主人公のベイビーは強盗団の逃がし屋ドライバー。小さい時に交通事故に遭い、以来耳鳴りがするので、起きている間はずっとiPodで音楽を聴いている――ということで、本作は全編にわたり音楽が鳴っている。そこで再び歌詞を中心に話を進めよう。今回、僕は吹替を担当した。既に劇場公開は済んでいるので、細かいエピソードにも触れる。ネタバレが嫌な方は、鑑賞後に読んでください!
“ベルボトムズ”/ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン ワイルドなリフに優雅なストリングスが絡み、冒頭の“つかみ”にふさわしい。曲に合わせたベイビーの動きがコミカル。
“ハーレム・シャッフル”/ボブ&アール
タイトルとオープニング・クレジットが出る場面でかかる。画面をよく見ると、ベイビーが歌詞の内容と同じ動きをしたり、歌詞の一部があちこちに落書きされている。ちなみにこの3分弱の場面はワンカット撮影だ。
“イージー”/コモドアーズ
甘いバラードで、多くの映画で使用。痛みに耐えられないからと恋人に別れを告げる歌だが、ベイビーは別の人間との決別を誓い、選曲したように思える。そしてこれは母親との思い出の曲でもある。恐らく売れない歌手だった母親がこの曲を歌っているのだ。
“ノーホエア・トゥ・ラン”/マーサ&ザ・ヴァンデラス
武器を購入しに行く時に車内で仲間が歌う。悪い男から逃げたいのだが、どうしても忘れられない、あなたから逃れられないと複雑な恋心を歌った歌だが、ベイビーの行き詰まった心境を表しているかのようだ。
“テキーラ”/ボタン・ダウン・ブラス
有名なインスト曲だが、決めのセリフとアクションがシンクロする場面がある。詳しくは本編でどうぞ。
“僕のベイビーに何か?”/サム&デイヴ
仲間と、恋人の働くダイナーに行った時にかかる。恋人を面倒に巻き込みたくないのでベイビーは彼女を無視する。不審に思う彼女の内面が歌詞とシンクロする。邦題は中途半端な直訳だが、僕のベイビーが変だと僕も変になってしまう、心配している彼女を見ると僕もブルーな気持ちになる、という歌。
“インターミッション”/ブラー
サーカス調のコミカルなメロディが繰り返されるごとにテンポが上がり凶暴になっていくインスト曲。3回目の強盗の前にベイビーが聴いている。途中でワイパーの動きと曲のリズムがシンクロするのが面白い。曲調に合わせるように最後に悲劇が訪れる。
“悪魔の呪文”/フォーカス
ヨーデル風のボーカルとハードなリフのギターが組み合わさったこの曲は1971年に全世界で大ヒットした。銃撃戦の場面でかかるのだが、リフのリズムに合わせて銃を撃つシーンがあるので、ぜひご注目していただきたい。
“忘れられない君”/バリー・ホワイト
甘いラブソングだが、ダイナーに乗り込んだ敵役が曲に合わせて、俺は決してやめない、絶対にやめない、と歌う。君を愛することをやめない、君に尽くすことをやめないという意味なのだが、敵役はお前を追うことをやめない、殺すまでやめないという意味で歌っているのが怖い。
“ベイビー・ドライバー”/サイモン&ガーファンクル
主人公のベイビーの職業が逃がし屋ドライバーなので「ベイビー・ドライバー」なわけだが、同名の曲がサイモン&ガーファンクルにある。この曲はラストのクレジット・ロールでかかる。
曲以外でもレッチリのフリーが強盗の仲間役で、冒頭の“ベルボトムズ”のジョン・スペンサーが看守役、シンガーソングライターのスカイ・フェレイラがベイビーの母親役で出演。さらにシンガーソングライターで怪優として知られるポール・ウィリアムズも登場。チョイ役も含めて脇にもミュージシャンがいっぱいだ。