2020.04.10
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ワイズ・インフィニティ 映像翻訳通信 Vol.125
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こんにちは、
ワイズ・インフィニティの加藤です。
先月の大久保に続き、制作部担当者からのお便りです。
ワイズさぶすく(ーる)の「チェッカー徒然日記」や
「字幕語マスター講座」にも登場している私ですが、
今回は「字幕語」について、さぶすく未収録の
持論を展開してみます。
字幕として読みやすい、“字幕らしい”日本語を、
私は勝手に「字幕語」と呼んでいます。
文字数の制限があるのはもちろんですが
「口語的(セリフ)でありながら書き言葉である」
というのも大きな特徴だと考えています。
敬語かタメぐちかという違いはありますが、
セリフは硬くならないよう、口語らしく訳します。
でも視聴者は、原音を聞きつつ字幕は目で読むので、
結局は書いて読ませる文章と言えるのです。
そうすると助詞を省きすぎても読みづらいし、
改行位置や字面が気になるという要素も出てきます。
さらに、「~だわ」「~のよ」といった女性的な語尾、
「~さ」「~だぜ」といった男性的な語尾など
実際の日常会話では出番が減っている言葉遣いも
好んで使われることになります。
小説の会話文とも似る部分かと思いますが、
推測するに、言葉遣いを特徴づけることによって
話者の切り替わりが分かりやすくなるので
テンポよく物語を展開できるのでしょうね。
映像と一緒に流れて消えてしまう字幕では特に
勘どころで話者が分からないのはマズいです…
複数話者の声が聞こえるタイミングなどでは
言葉遣い、口調での特徴づけが有効そうですね。
ただしクライアントによっては
できるだけ中性的な口調にしてほしいと
リクエストをいただくこともありますし、
言葉は時代とともに移り変わっていくものと
個人的にも思いますので、トレンドには常に
アンテナを張っていたいものです。
話がそれましたが、チェックの仕事をしていると、
字幕語の特徴を心得た方が書いたかどうかは
おそらく皆さんが思う以上に原稿に出るもので、
ひと目で分かるものだったりします。
「今の字幕、何だか変だったな」と
思ったことはありませんか?
私もまだまだ修行中ですが、
皆さんも「字幕語」に興味が湧いたらぜひぜひ
画面の端の言葉たちに注目してみてくださいね。