2019.08.23
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ワイズ・インフィニティ 映像翻訳通信 Vol.93
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こんにちは。
ワイズ・インフィニティの花田です。
先月、池袋に新しいシネコンが誕生しましたが、
もう行かれた方はいますでしょうか。
地上12階のビルの4階から12階に計12のスクリーン、
客席数は約2500で都内最大級と、まあここまでは
よくある感じのシネコンだと思いますが、
目玉は何といっても最上階のIMAXシアターではないでしょうか。
幅25.8m×高さ18.9mという超巨大スクリーンはもとより、
特筆すべきはフルサイズのIMAXが見られる点です。
フルサイズって何?と思った方もいるかもしれません。
本来、IMAXの画角は1.43:1で、正方形に近い比率なのですが、
日本国内で、この画角で鑑賞できる劇場は、
以前は「109シネマズ大阪エキスポシティ」しかありませんでした。
なので、全国で2館目ということになります。
日本全国にIMAX対応の劇場はありますが、
そのほとんどが横長の比率1.90:1で、
フルサイズの上下が大幅にカットされた状態で
上映されています。
さらにIMAXではない通常の映画館では
(シネスコだと)画角2.35:1で、さらに上下がカットされているわけです。
まあ、画面中央のメインとなる部分は削られないので
画角の違いによって話が分からなくなったりすることはありませんが、
ビジュアルを重視した作品だと、
印象がガラリと変わってしまうとよく言われます。
(見比べたことがないので、自分では分かりません。。)
と、観客の印象が大きく変わってしまうこともある画角ですが、
SSTでも画角の設定ができることは、
あまり知られていないかもしれません。
画角に関する指定がない場合、適当な比率で作業してしまっても、
字幕間や文字数の設定ほど、深刻な状況に陥ることはないので
気にしない翻訳者さんが多いのかもしれませんが
最終的な仕上がりをイメージしながら翻訳するには
やはり設定したほうがよいです。
特にテロップが多いドキュメンタリーや特典映像などは
フォントの大きさや字幕位置が重要になってきますので
正しい比率で表示させてから、フォントの大きさや位置を
変えるなどしたほうが、いざ設定が必要になった時に
慌てなくて済みます。
SSTでまだMPEG4が読み込めなかった時代、
MPEG1では映像が4:3で収録されていたため、
人の顔が不自然に縦長になってしまうのが嫌で
4:3squeezeに設定して少しでもマシな状態でやりたいと
思ったのが、画角設定をいじるきっかけでした。
たかが画角、されど画角。
翻訳の中身さえしっかりしていれば、
あとはそれほど重要じゃないでしょ?と言われれば
それまでですが、
観客や視聴者の目にどう映るか=最終的に商品が
届けられるお客様がどう感じるか
を考えることは、どんな仕事をするうえでも
大事にしなければならない心構えではないでしょうか。