2018.04.06
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ワイズ・インフィニティ 映像翻訳通信 Vol.26
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こんにちは。
大阪事業所の花田です。
前回、「字幕の勉強のためにどんな本をよめばいいか」という
質問にお答えする形で映像翻訳関連の書籍について
ご紹介しましたが、もっと教えてほしいという声にお応えして
今回は比較的新しめのものを紹介します。
念のためAmazonで検索してみたところ、
すでに新品として取り扱ってないものもありましたので
気になる方はお早めに。
さて、前回のおさらいですが、関連書籍は
主に翻訳スキルアップを目指すものと、
業界や翻訳の内情を盛り込んだ
エッセイのようなものに分かれる、とお伝えしました。
まずは字幕スキルアップ本の定番
「アルク翻訳レッスンシリーズ[メディア翻訳] 映画翻訳入門」(アルク)。
第一線で活躍している翻訳者の面々による
字幕と吹き替えのレッスンは、
題材が多く取り揃えられていて、
学習者にはうれしい点です。
訳出する際のポイント解説では
例えば軍の階級や銃器などについて
触れられている箇所もあり、
現役の翻訳者でもためになるはず。
レッスンに加えて「こんな翻訳者が欲しい」という
現場サイドの声が知れるコラムもあり、
盛りだくさんな内容です。
続いては
「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」(光文社新書)。
1000本超の字幕翻訳を手掛けた太田直子さんの著書です。
太田さんの著書の中でも初期の頃に出たもので
いわゆる「ぼやき節」はそこまで過度ではありませんが
共感できるところが多々あります。
字幕翻訳の「舞台裏の話」とまえがきに書かれているが
まさしくその通り。
もしかしたら学習中の方には
言わんとするところがよく理解できない部分も
あるかもしれませんが、
プロの活躍する世界を赤裸々に泥臭く語っている本は
太田さんの著作の他にないのではないでしょうか。
最後は字幕翻訳業界の関係者ではない(と思われる)、
言語学者、中村桃子さんの
「翻訳がつくる日本語―ヒロインは「女ことば」を話し続ける」(白澤社)。
タイトルにあるとおり、
映画やドラマの翻訳では、女性のセリフの語尾は
「~(だ)わ」「~なのよ」、男性なら「~だぜ」「~さ」と
なることが多いですが、実際にそのような言葉遣いをする人は、
全くとは言わないまでも、かなり少数と言ってよいでしょう。
いわゆる「女ことば」や「男ことば」が現代の日本語に
どんな影響を与えているのかを考察しています。
映像翻訳に直接関係はありませんが、
新しい気づきを与えてくれます。
以上、また個人的なチョイスで
3冊紹介させていただきました。
関連書籍はまだまだたくさんありますので、
自身で探してみてはいかがでしょうか。
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