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翻訳の現場から


2024.10.17

風間先生の翻訳コラム

コラム第118回:お父さんの帽子と野球帽

お父さんの帽子と野球帽

 先日やった映画で、若者が自分の格好についてこんなことを言う。「Tシャツに短パンにdad hat」。見ると普通のキャップだ。少し調べると「6枚のパネル(帽子を構成する生地のこと)の野球帽で、つばがカーブを描き、素材が柔らかい」という説明が見つかる。まあキャップでいいかと思っていると、その後で別の人間がある男の格好について「めかしたヒゲでキメて、頭にはtracker cap」と言う。これも見た目は普通のキャップだ。その前は「親父のキャップ」だったが、今度は「トラック運転手のキャップ」だ。どうやらキャップにもいろいろあるらしい。僕は帽子、特にキャップが似合わない人間なのでまったく興味がなかったのだが、こうなると調べないわけにはいかない…
 キャップの基本はやはりBaseball cap/野球帽である。ということで、以下Basebal capを基本にキャップの種類を記してみよう。
・Baseball cap
 いわゆるキャップ、野球帽である。通常はパネルが6枚だが、前面を1枚にする5パネルのものもある。特徴は前面のパネルの内側に芯が入っていて硬く、つばがカーブしていること。
・Dad hat
 野球帽と見た目は似ていて、通常は6パネル。最大の違いは前面のパネルに芯が入っていないこと。だから頭のラインに沿って柔らかいシルエットになる。使っている素材も柔らかいものが多い。
・Flat brim cap
 直訳すると「平らなつばのキャップ」だが、野球帽のつばがカーブを描いているのに対し、文字どおりつばが平らになっている。さらに前面のパネルの角度がほぼ垂直に近い。野球帽は頭の形に合わせて角度がついてるのが普通だ。
 この帽子は別名Snapbackとも呼ばれる。だが本来はまったく別の意味で、snapbackとは帽子の後部にあるプラスチック製のベルトのこと。キャップの後部(back)に留め具(snap)が複数あり、これでサイズを調整できる。ただしFlat brim capにはほぼsnapbackが付いていると言っていい。もちろん、他のキャップにもsnapbackが付いていることは多い。
・Trucker cap
 形状は野球帽と同じだが、前面パネル以外がメッシュになっているものを指す。mesh capとかnetback capとも呼ばれる。

 いわゆるキャップにこんな種類/違いがあるとは思わなかった。また、調べる過程で、日本語のページでもダッドハット、トラッカーハットとそのまま使われているのに驚いた。キャップ・ショップや、その手のファッションに興味のある人のページだから、興味のない人間には意味不明である。まあ「親父帽」とか「運転手帽」では格好がつかないし、そのままカタカナで表記というのは分かる。
 それ以上に重要なのは、それぞれのキャップが象徴する意味だろう。キャップというのは基本的にアメリカ人が被るものであり、恐らく労働者や農民などは特にこだわりなくそれぞれのキャップを被っているのだと思う。問題はキャップをファッションとして愛するストリート系の連中だ。何となくDad hatやTracker hatを選ぶ奴はダサいということのようだが、まだ裏はとれていない。今後の課題として引き続き注意していきマス!

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